ピリピリ

2006年なんですね。SF感が漂います。

雷鳴の中でも (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-4)

雷鳴の中でも (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-4)

カーにつまらないものなし、の信条を揺るがされそうな一品。
舞台はかつてヒトラーも滞在した山荘。そこで十年の時を隔てて繰り返す、不審な墜落事故――いわゆる「謎の墜落物」です。D・グリーンの伝記では割に好意的な評価だけど……どうでしょう? カー好むところの「緊張感漂うヒステリックな雰囲気」が、登場人物だけで完結してる感じ。始終神経質に叫び合うけど、そんなにピリつく気分がどうもピンとこない。カルシウム不足かね。
筋立ても……俺、何か伏線読み飛ばしたかなあ? 驚き所が解りませんでしたよ。
せめてナチスが筋に絡んでくればよかったのですが(そしてヒトラーが犯人!なら神だった)。

というわけで、ノレませんでした。いつかまたカー・レベルが上がったら再読しようと思います。