大きくていい

館島 (ミステリ・フロンティア)

館島 (ミステリ・フロンティア)

装丁でとりあえず一ポイント先取。
(まあその辺の「狙った」感が気になる向きもあるでしょうが)多分に天然の味わいある作風です。この作家を「だめ、大嫌い!」という人はそうはいないでしょう。賛否分かれるギャグも含めて「しょうがないねえ、あのひとは」と苦笑交じりに愛されるタイプ。
ラストで見えてくる、奇妙な館の真意とそれがもたらすビジョンが大きくていいと思いました。綾辻的な館がひたすら内に篭もるのに対し、こちらは外を向いていますね(←ややバレ)。