読書はミステリ

読んだものちらほら。
鳥飼否宇「痙攣的‐モンド氏の逆説‐」全五話の連作短編集。
三話目まではアートをめぐる端正なミステリ、四話目以降は急激に転調、壊れた感じのアートなミステリに。ここまでけったいな、作者の意図のよくわからない小説を読んだのは久々。うけねらいの要素もあるだろうが、たぶん多分に天然。痙攣的






鳥飼否宇「昆虫探偵‐シロコパκ氏の華麗なる推理」連作短編集。各話タイトルは先行作のもじり。
昆虫の探偵の話。犯人は昆虫。ワトソン役はヒトのオタから「変身」した昆虫。ギャラリー昆虫。なぞと解決は虫世界の理屈と生理にて、徹底して虫づくし。
十七年周期で大発生する、いわゆるジュウシチネン蝉が年度をむかえても沈黙しているのはなぜか―という命題からダイナミックな真相がえがかれる「昼のセミ」がおもしろい。どの作もラストに奇妙な味が効いてます。昆虫探偵 (光文社文庫)