女王蜂

横溝正史「女王蜂」(探偵小説・長編・角川)
あらすじ:島の美女をめぐって男たちが殺しあった。
謎解きの密度はかのカルト傑作「夜歩く」に迫るかと(←カーの同名デビュー作の三倍おもしろい)。
ただ舞台が都会なのがよろしくない。正史というとおどろおどろしいイメージがあるが、文章自体はものすごく淡白なため、土俗な舞台じゃないと途端に雰囲気がスカスカしてしまうのである。この作がいまいちメジャーじゃないのはその辺が理由でしょう。
女王蜂 (角川文庫)