ダル

だるい。地面に吸い込まれそうだ。
桜庭一樹GOSICK−ゴシック−」
赤川次郎三毛猫ホームズの怪談」
安達哲バカ姉弟①」
この辺読んで面白かったことのみ近日の出来事として覚えている。あとの記憶はなにもない。きっと地面に吸い取られ拡散し蒸発していまはもうない。

桜庭先生のゴシは何というか、圧倒的な楽々感がみなぎっている。ネタはぎゅうづめ、構成もそれなり複雑な話だが「このくらいならいつでもいくらでも書けます」的な勢いを感じた。筆は荒いが、それもまた勢いのうち。編集者にはたのもしいだろうな。これがラノベクオリティ?

近所の図書館で、赤川次郎を大量放出していたので拾って帰った。もはや次郎は不要の時代か(新しい版に取り替えるだけかもしれないが)。
読んでみると、時代とともにきっちり古びてました。女性キャラが……萌えとかエロカワイイとかはまあ求めないにしても、圧倒的に古物。
でも葬り去るにはもったいない。とにかく異様なまでのテンポの良さ。謎また謎&ハプニングにつぐハプニングで目が回るほどだが、しかし読み手にストレスは与えない。一㎜もない。これぞ初期クオリティ。殺人現場に毎度現れる「赤い猫」の謎ときが杜撰なのが惜しい。
プロットのひきと読者サービスという点では、何となくカーを連想した。いっそ古びるだけ古びきって、カー的ポジションになるというものありか、猫と次郎は。


バカ姉弟、絶品。静かに興奮する。


バカ姉弟 (1)     ヤンマガKCデラックス
GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)
三毛猫ホームズの怪談 (角川文庫 (5784))


うわ、三毛猫ホームズの画像ねえんだ。びっくり。だるい。