テンポよし

シムノン「世界の名探偵コレクション10 メグレ警視」(探・短・集)
あらすじ:犯罪より犯人に興味のあるメグレは、今日も彼らを追い詰め追いかけ時には逃がしたりもするのだった。
いやーテンポがいいわ。筋運びのなんとも絶妙であること。書くべきところは書き、書かなくていいところは書かない。省く。まとめる。メリハリがある。トントントンとスキップするようなテンポのよさで、気がつくと終いまで一気。
とはいえそこはフランス人のこと*1。深遠なる心理描写はお家芸ですから、テンポに油断していると話の筋を掴み損ねることもあります。お前の読解力が低いんだと言われればそれまでですが。
小説の軽快さという意味では、日本で言うと池波正太郎なんて近いだろうか。読書量が少ないもんで、この言い草は我ながら怪しい。
メグレ警視 (世界の名探偵コレクション10) (集英社文庫)



文章がみだれ気味なのは東京の暑さが悪いんです。

*1:シムノンは正確にはベルギー出身ではあるが。卵頭のあの探偵と同じ也。