私立探偵癒し系

ビル・プロンジーニ「名無しのオプ 事件ファイル」(新潮・ハードボイルド・短)名無しの探偵事件ファイル (新潮文庫)

あらすじ:名無しのオプが名推理を四回やる。
私立探偵のくせにパルプマガジンの収集が趣味、という臆面もない作者の自己投影がほほえましい、オプシリーズ短編集。ハードボイルドと謳ってはいるが、文体・キャラともにまったく冴えず、むしろちょっとしたロジック、トリックにキレあり。二編目の古本屋万引き事件がその意味ではベスト。
この話オプが嬉々として店員に化けて潜入操作、とハードボイルドとしてはグダグダ感を極めながらもラストは爆発・炎上のカーバトルで、アメ公のサービスマンぷりを見た。
総体にゆるい職人芸、といった趣の短編集でしょうか。あんまりほめるとこもないんだけど、なんかほんわりとして憎めない。癒し系?